老人ホームに入居。福祉用具はレンタルする?購入する?
高齢者の在宅生活をサポートする「福祉用具」は、使用する本人のQOL(生活の質)向上や暮らしの安全、介護者の介護負担軽減やQOLの向上にも関わる大きな役割を担っています。
費用負担が重くなりがちな福祉用具も介護保険制度の利用で費用負担が減り、ご家族や看護師さん、ヘルパーさんなどの人的サポートを受けながら用具を活用することで、住み慣れた自宅で安心安全に生活を継続していくための必要不可欠な介護保険サービスであります。
今回は、老人ホームに入居する際の福祉用具の活用方法をご紹介いたします。
■まずは、福祉用具をレンタルできるホームと、できないホームがあることを押さえておきましょう!
老人ホームは役割やご入居者さまの状態に応じて細かく分類されています。
「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「グループホーム」
「有料老人ホーム(介護付、住宅型など)」「サービス付き高齢者向け住宅」「軽費老人ホーム」などが挙げられます。
「有料老人ホーム(介護付を除いた)」「サービス付き高齢者向け住宅」「軽費老人ホーム」など、介護保険制度を利用してレンタルが可能なホームもありますが、すべてのホームでレンタルが可能というわけではありません。
そのため、今まで自宅で介護保険サービスを利用して1割~3割の費用負担で福祉用具を月々レンタルしていた場合、レンタルのできないホームに入居した場合は10割の費用負担となり、例)歩行器を300円/月額でレンタル(1割負担の場合)→3,000円/月額となってしまいます。
そうすると、「購入したほうがよいのではないか?」と思ってしまいますが…
■レンタルする?購入する?
10割でレンタルするのであれば購入してしまおうと行動に移す前に、まずは、担当ケアマネジャーさま、我々「円か」の相談員にご相談いただくか、入居先のホームの方、ホームの周辺にある福祉用具貸与事業所に相談しましょう。
近年では、福祉用具貸与事業所の企業努力によって、介護保険サービスを利用してレンタルができない方を対象に「自費サービス」で、介護保険サービスと概ね変わりない金額で月々レンタルができる可能性もあります。
※購入費用の負担割合を差し引いた金額が返金される。または、負担割合の金額で購入できる用具もあります。これらは、ホームセンターやネット販売でも購入可能ですが指定を受けた福祉用具貸与事業所から購入しなければ、介護保険サービスの対象外となります。
■「レンタル」「購入」それぞれのメリット・デメリットとは。
「レンタル(メリット)」
日々変化するお身体の状態により現在使用の用具が扱いづらくなった際、専門的な知識を持った福祉用具専門相談員が用具の選定、変更をしてくれる。
定期的なメンテナンス、故障などの不具合が生じた際は交換が可能である。(費用はかからないケースのほうが多い。)
「レンタル(デメリット)」
契約、同意が必須である。
月々のレンタル費用がかかるため長期的に使用した場合は購入したほうが良いケースもある。
「購入(メリット)」
自己所有物になるため気兼ねなく使用できる。場合によっては中古買取も可能。
レンタルでもある程度は希望できるが色を選択できる。
「購入(デメリット)」
故障や不具合は保証期間が過ぎると有償になり、型が古くなると部品がなく修理ができない場合もある。
お身体の状態が変化して使用できなくなった際の買い替えや処分が必要になる。
ホームを探す見学段階やホームに入居が決まり準備物をそろえる際、ベッドや押し車が必要になるので「早く購入しなくては!」と、行動を起こす前にこの投稿を思い返していただき、まずはご相談から少しでもお役に立てられれば幸いです。
山田 遼磨
お問い合わせ先 0120-21-8960