老人ホームの入居への課題とは?【費用編】
老人ホームへの入居を考えたとき、費用の問題は避けて通れません。初期費用から月々の支払い、さらに追加費用まで、想像以上に多くの負担がかかる場合があります。
今回は、老人ホームの費用に関する具体的な内訳を詳しく解説いたします!
老人ホームに入居する際の費用の全体像
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初期費用
まず、老人ホームに入居する際にはまとまった初期費用が必要になる場合があります。これが費用のハードルの第一歩です。
- 入居一時金
主に有料老人ホームで必要となる費用で、数十万円から数千万円まで幅広い金額が設定されています。居室利用料の一部を事前に支払うもので、家賃の先払いに近い形です。支払った金額は契約時に定めた「償却期間」にわたって均等に減額され、期間終了後は返還されないことが一般的です。たとえば、前払金1,200万円で償却期間が10年の場合、年間120万円ずつが償却されます。初期償却として、入居から一定の期間が経過すると1割~2割の金額が償却される場合もあるため、ご契約時に確認が必要です。また、家賃の前払いですので、退去時に償却されていない残金は返却されますよ! - 一時金が高額な施設の場合、特に入居を決断するハードルが高くなります。近年では、「入居一時金なし」のプランも増えていますが、その場合、月額費用が割高になる傾向があります。
- 敷金・保証金
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などでは、一般の賃貸住宅と同様に敷金や保証金が必要です。通常10万円~50万円程度が相場ですが、これも一時的には必要な支出となります。これは退去時に原状回復費用を差し引いて返還される場合があります!
- 引っ越し費用
現在の住居から老人ホームに移るためには、引っ越し費用も考えておく必要があります! - 特に家具や家電をそのまま持ち込む場合は、業者に依頼することとなりますので、10万~20万円程度が必要です。
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月額費用
入居後、毎月の費用の主な内訳は以下の通りです。
- 家賃・施設利用料
有料老人ホームの場合、月額費用は5万円~15万円が相場です。特別養護老人ホーム(特養)のような公的施設では比較的安価な家賃(1万~3万円程度)ですが、施設の空きが少なく、入居までに数年待つケースもあります。 - 管理費・共益費
施設の維持管理費として月額2~5万円程度が必要です。これには共有スペースや施設内設備の維持費が含まれます。 - 食費
老人ホームでは1日3食の提供が一般的です。月額3万~6万円程度の食費が必要で、利用者の栄養状態を考えた専用メニューが提供されるため、栄養状態が改善される場合も珍しくありませんよ! - 介護費用
要介護度やサービス内容に応じて発生する費用です。介護保険が適用されるため、介護度によって自己負担額は大きく異なります。1割負担で月額で2万~4万円程度の費用がかかるケースが多いです。また、自己負担割合が2割や3割負担の方はより多くの負担が必要なため事前に確認しておきましょう。 - その他費用
日用品や理美容サービス、外出支援などのオプションサービスを利用する場合、それに応じた追加費用も発生します。特に、介護保険施設ではオムツ代は介護給付に含まれ、自己負担はありませんが、民間施設では自己負担となります。
- 追加費用
状況に応じて発生する追加費用も、入居者やその家族にとってハードルになる場合があります。
- 医療費
高齢者の方は、お薬をほとんどの方が継続して服用されていると思います。そのため、往診費用やお薬代などの医療費の負担も考慮しておく必要があります。特に医療ケアが必要な状態になると、施設での対応が難しく、別途医療対応が可能な施設に移る場合もあります。 - 介護度の変化
要介護度が上がると、必要な介護サービスが増え、それに伴って費用が増加する可能性があります。ご年齢を重ねると、介護度が高くなってしまう場合も珍しくありません。介護度が上がると介護保険の費用も比例して高くなってしまうため、事前にこれを想定しておく必要があります。要介護1では、予算内に収まっていたとしても、介護度が高くなっても問題ないか確認することも重要です!
老人ホームの費用は、収入や貯蓄が限られている高齢者やその家族にとって大きな負担です。特に以下の点でハードルが生じることが多いです:
- 初期費用が高額すぎて一括で払えない。
- 月額費用が年金収入だけでは賄えない。
- 長期間の入居により、貯蓄が枯渇する可能性がある。
老人ホームの費用は、初期費用から月々の支払い、さらには介護度の変化による追加費用まで、多岐にわたります。そのため、ご本人様だけでなく、ご家族様全体での将来の負担に備えてしっかりと準備する必要があります。しかし、補助制度を利用したり、適切な施設を選んだりすることで、費用のハードルをある程度軽減することも可能です。
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森田 裕至
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